おかげさまで多くの方にアクセスしていただきましてありがとうございます。
今日は作品の紹介でなく、
多久さんの作品のこぼれ話とか、今後の取り組みとかをお届けいたします。
今回のネット個展作品の中で「伊部」と表記されているものがあります。
特に気にならない方も多いとは思いますが、
今日は作品名の表記、多久さんの伊部手(塗り土)について少しお話しできればと思っています。
作品名に「伊部」とついているのは、塗り土(伊部手)が施された作品になります。
まずここで理解していただきたいのが、
多久さんの作品には塗り土=「伊部」表記ではないものが多くあります。
緋襷作品の中には、見ても分からないほどに薄く塗り土してあるものがあります。
かなり混乱するような内容ですが、
ここを理解しておくと多久さんの作品の見方がより一層面白くなります。
文章にするのはかなり難しいのですが、分かりやすく言ったら
多久さんの塗り土技法の中に伊部手という表現方法があるといったところでしょうか。
その伊部手ですが、
よく黒い発色が見られるので伊部手=黒備前と混同されがちなんですが、
伊部手と黒備前は個人的にはまったく違う目的の技法だと思っています。
現代の黒備前は塗った土または顔料で黒い発色を見せる技法で
多久さんの塗り土は黒い発色が目的ではなくどちらかといえば本体の土肌を引き立てるためのものだと
私は考えています。
話が少しそれましたが、
多久さんが塗り土する最大の目的は塗り土を施すことから生まれる土肌の深い表情を探ることで
伊部手のよる表現はその通過点で出来上がったものです。
黒い伊部手が先に作品として出てしまっているので、
「塗り土」=「伊部手」のように感じますが
多久さんの伊部手の黒い発色は検証過程のもので黒い伊部手が最終目標ではありません。
このことを踏まえて、
塗り土を様々な形で表現した多久さんの作品を見ていただけたらと思っています。
いろんな塗り土のやり方があり、いろんな表情で仕上がっていますので
ネット個展の商品ページで比較してぜひご覧になってくださいね。
最後に、
先日多久さんに桐箱発注した際に話が盛り上がり、今後の方向性などを教えていただきました。
今後の展開としては、
昭和初期に大量に作られていた保命酒徳利などを参考にして
自分の作品の中に取り入れていきたいとおっしゃられていました。
またネット個展における反響をとても喜んでいらっしゃいました。
インターネットなどは苦手な方なのですが、
このような形で多くの方々に作品を見ていただけることで
とても刺激を受けられているとのことです。
また、近いうちに多久さんの作品でイベントができたらとお話しさせていただきました。
ネット個展の会期は8月28日(日)18時までとなっております。
どうぞゆっくりとネット個展をお楽しみください。
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