今回のテーマは『塩青 BizenBlue 楽山窯の塩青焼』
藤原楽山家に伝わる食塩を使用し焼成される備前焼をご紹介いたします。
備前の土には鉄分が多く含まれており、還元焼成を行うことで青灰色の発色が出ます。
青備前とは還元で焼成し、全体的に青灰色に発色させたものをいいます。
一般的に青備前と呼ばれているのは緋襷を還元焼成し青灰色に発色させたものです。
このページでご紹介している塩青焼とは、
食塩を使い還元焼成をかける技法で、焼成には専用の塩窯が使われます。
明治時代に初代藤原楽山先生が築窯、焼成方法を確立、岡山県重要無形文化財保持者の二代楽山先生で青の中に朱を入れる現在の表現方法を成功させ、 三代楽山先生、藤原康先生へとその技が受け継がれています。
藤原家に代々伝わる塩窯内部
藤原家に代々伝わる塩窯内部
塩青焼の特徴としては、青灰色の発色のほかに表面が非常に滑らかになるという事です。
焼成の最終段階で投入される食塩により窯の内部は還元焼成となります。
窯に投入された食塩は蒸気化し、冷却後は作品の表面に透明の釉薬が纏い、つるつるで滑らかな質感に仕上がります。
窯の形状は作品の全体へ均一に塩釉がかかるようにと、備前で使用されている登り窯や穴窯とはまったく異なるドーム形をしています。
窯は小さく、作品の大きさに制限があり甕や大皿などは焼成できません。
焼成時間も登り窯に比べ非常に短時間で焼き締めます。
濃い塩釉がかかっている所は緑色になります
濃い塩釉がかかっている所は緑色になります
塩青焼に使用される土は備前の土でも磁器土の様な非常に細かいものが多く、備前焼には見えない仕上がりになります。
どちらかといえば青磁や白磁の質感に近いでしょうか・・。
代々藤原家で継承しているのはこの細かい土を使用した塩青焼ですが、最近では荒い土の作品も焼成されています。
また、備前三石産の蝋石を塗り土したりと作品の幅も広がっています。
藤原康作 塩青焼 過去の販売作品
藤原康先生の塩青焼作品の販売はこちら⇒ 藤原康作品販売ページ